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深川澪通り木戸番小屋  北原亜以子著  講談社文庫 [読書]

    深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)

読み応えのある本。作者は昭和13年の生まれで、私より2つ歳をとっているが、つい最近亡くなったばかりで、この本もこれで終わりらしい。

深川澪通り木戸番小屋、両国橋から、坂道の冬、深川しぐれ、ともだち、名人かたぎ、梅雨の晴れ間、わすれものの8編が収められている。江戸の市井の片隅で生きる名もない人々の暮らしぶりが描かれている。ただみんな最後は収まるところに納まっている。その意味では安心して読んでいられる。笑兵衛もお捨もこの世から消えてしまったかと思うと何か寂しい気がする。現代では珍しい人達で、いまどきこのような人柄はないし、あってもわが身に金あってのことと言われる。

 


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