渡良瀬 佐伯一麦著 岩波書店 [読書]
以前「鉄塔家族」を読んで、意外と面白かったので、今度は岩波書店が出版元ではあるし、面白かろうと読んだが、期待通りではあった。淡々と事実は進み、淡々と終わる。それ以上でもないし、それ以下でもない。ただ読ませる。私は1週間かけて読んだ。何の変哲もない事実が述べられている。鉄塔家族の方がもう少し上の階級を描いていた。
主人公の南條拓は車の事故を起こし、生活費3か月分も含めて50万円をサラ金から借りており、職場を変えた。また長女を怒鳴ったことから長女は一言もしゃべらなくなり、三男坊の祐一は川崎病を患っている。一家は最後には元通りの生活になるというお話。この著者が配電盤関係に詳しいのは著者の略歴にある。
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