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不本意な敗戦    坂本幸雄著    日本経済新聞社 [読書]

   

    不本意な敗戦 エルピーダの戦い

これほど心に訴える本は読んだことがない。日本の電機メーカーやIT産業の弱点など明らかである。日本企業では好きなことをしたければその企業のトップにならなければ不可能だ。社長は部下から上がってくるものを選んでその中から自分と何らかのコネクションがあるから付き合う。それもゴルフとかの何らかの遊びだ。坂本のようにTOP同志の厳しいコネクションをするためではない。日本企業の没落は目に見えている。

この章で最も面白かったのは第6章の「2つの勝ちパターン」だ。日本企業の欠点をあますことなく見事に叙術しているとしか言いようがない。社長には社長の役割、課長には課長の役割、労働者には労働者の役割があろう。これを実際に体現し、苦労しているのは中小企業の経営者かもしれない。戦後まもなく日本企業が復興を成し遂げたのは大企業も含めて若い人中心に日本の復興のため粉骨砕身働いたことだろう。いまでは個性ある経営者が外され、御用聞き的で、皆と調子を合わせるのが巧みな人が経営者になってきた。その咎が出てきて今日の日本作り上げたとしかいいようがない。   

 

それにしてもアングロサクソンは優れている。現在のアメリカをみよ、大学を出た者とそれ以外の労働者を確然と区別し、若い内から経営者としての素質を鍛え上げている。日本のように単に大学に在籍したというだけで、何ら専門的な勉強もせず、それなりの処遇を求めるのは箸にも棒にもかからない。大学で勉強したことをもとに将来の進路を決めるのではない。自社の製品に対する愛着もない経営者がなんと多いことか。こんな教育をしていたのでは日本は早晩沈没する。

アメリカで不思議なことがある。簡単に人員整理しているようだが、特に目をかけた人物には手を打っていることだ。会社にとって必要な人材はそれなりに目をつけ、慰留している。これで疑問が解けた。

 社長として必要な資質は愛情経営、スピード経営、経験、トップセールスそして訴訟を恐れないことだ。

 いづれも日本の経営者に欠けているいる問題だ。


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