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アップル帝国の正体   後藤直義・森川潤著  文芸春秋刊 [読書]

       アップル帝国の正体

おそろしいアメリカの力だ。ソニー、松下、東芝、シャープ、三洋電機といった家電会社が旗をかかげ、家電王国と言われた日本はどこへいったのだろう。今やジョブズという天才にほしいままにされ、流通経路まで剥奪されている。シャープが三重県の亀山に液晶専門の工場を作ったのはほんの最近だったような気がする。わずか4~5年で世界のそれも最先端の工場がアップルの下請けに成り下がるとは。大量の注文を、それも相手の技術力をみての発注は当然のことながらその注文がなくなると、それまでの設備投資が無駄になり、その会社は立ち行かなくなる。

アップルとて例外でない。ジョブズ亡き後、すでにその兆候は表れつつある。日本のメーカーはその間にアップルのような独創的な技術開発によって、再び往年の家電王国を築けるか。


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