人口減少社会という希望 広井良典 [読書]
日本は今曲がり角にいる。ここで政策を間違えれば世界にとんでもない災いをもたらす。
高度成長期はみんなが得をする時代であり、分配の問題など考える必要がなかった(p.10)。しかし、今は違う。今は人が余り、地球の自然資源が不足している時代なのだ。日本でいえば、縄文時代の狩猟採集時代、弥生時代以降から第2次大戦までの農業時代、そして現代までの産業社会である。今や世界各国の民が豊かさを求めて産業社会化を進めようとしている。日本などもアベノミックスと称して1国の首相が経済成長にこだわり、選挙に勝った勝ったと喜んでいる。その意味では日本の国会議員など自分の当選のことばかりを考え、日本の行く末のことなど全く考えていないといえる。アメリカなどは国土が広く、自然資源もまだ豊富にある国だ。そんな国の真似をしたからといって日本全体が幸せになるものでもなかろう。なぜヨーロッパの真似をしないのだろう。
今まではケインズ政策という伝家の宝刀があった。しかし今や市場経済への直接的な介入も森林の枯渇や土壌の浸食など資源・環境的な限界、金利の優遇等に直面した最近の現在にはふさわしくない。経済成長あるいはGDPの増加が必ずしも人々の幸福度や生活満足度に結びついていない。ブータンの方がよっぽどましだ。
これからは地域に密着したコミュニティにしていくべきだとの主張である。全く大賛成だ。難しい議論はやめてこのような地域主体としての日本へもう一度帰ろう。医学が発達し、みんなが仲良く暮らせる社会に変えることこそ今後の日本の成長がある。今後の社会はコミュニティが中心になるべきだろう。
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