消費増税では財政再建できない 野口悠紀雄著 ダイヤモンド社 [読書]
参った、参った。私は消費増税で、国債発行を減らし、財政再建できるものと考えていた。しかし、そうはトンヤガオロサナイどころか、私がもらっている年金がいつの間にか賦課方式になっており、その削減なしでは今の制度を維持することすら難しい事態になっているとは。この本が出版早々売り切れ、中古品で500円も高くなっている。
① 社会保障費の内訳は基礎年金、老人医療、介護に分けられるが、その中で高齢化社会を控えて年金の比重がますます大きくなり、消費税を少々上げたくらいでまかなえるものではない。社会保障費をまかなうための消費税upというのはまやかしである。
② 政府の経費を税でまかなうか、国債でまかなうかは国債のほうが利息が国民に入ることになり、特に国債が国内で消化されている限りではいいのでは。ギリシャのように他国に引き受けてもらっているのとは違う。
③ 今の日本の財政赤字問題は増税という手段では解決出来ない段階にまで達しており、これを解決する手段はインフレでしかあり得ない(P.247)
④ 日本はこれまで法人部門の貯蓄超過によって国債を引き受けてきたが、それは国内に良い投資先がこれまでなかったことを意味し、今後はまた資本設備の高齢化にも悩まされることになる。
⑤ 製造業で雇用が減り、逆に介護分野では雇用が増えたが、その賃金は低かった。そのため全体の賃金所得が低下した。しかし、イギリスやアメリカでは生産性が高い産業が雇用を増加させたため、経済全体の所得が増加した。
⑥ 全職業の有効求人倍率が0.5を下回る中で、介護関連職種の有効求人倍率は1.4倍近い数 字になっている。製造業の衰退、介護等の必要性の増大傾向は今後ますます続くが、これを打開するには老人のもっている資産売却(例えば「リバースモーゲッジ」等)の抜本的対策が求められる。
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