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猫鳴り    沼田まほかる  双葉文庫 [読書]

     猫鳴り.jpg
  恥ずかしい話だが、この本の解説(豊崎由美)を読むまでこの短編3篇が1つの小説をなしているとは思わなんだ。確かに第1部は猫がこの家に居ついた経緯が書かれ、第2部は第1部でその猫を捨てに行ってきなさいと母親からいわれたあやめが猫が心配でみにきているうちに、半ばぐれた男の子と知り会ったいきさつが述べられている。言われてみれば、登場人物の名前が3部とも一致している。しかも解説者は私が読んだ「ニッポンの書評」の著者だ。
 私は最後の第3部のみがペットを可愛がる人の心情が描かれていると思い、1部、2部は一体なんなのか、この第3部こそ私の期待した内容だと思ったのだが。
 
しかし、藤治はここまで猫を可愛がるかと思う。私ならむしろ若い医者が言った「僕はためらわず、モンちゃんの好きにさせてあげることをお勧めします」の言に従う。ただ自分が死ぬ場面に直面していないだけにそう思うだけで、実際のところは分からない。ただ死ぬ間際の苦しさだけは我慢ならず、どうせ助からない命なら、安らかに死にたいと願うだけだが。
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