424. ずっこけそこない話―草市潤著、老人力―赤瀬川原平著 H27.2.25読了 [読書]
2冊を交互に読んだ。いずれも随筆で面白かった。読んでいる最中に赤瀬川原平さんが死んでしまった。私が死ぬときは草市潤さんみたいに死ぬのを待って死にたい。
423. 最後のトリック 深水黎一郎著 河出書房新社 [読書]
読者が犯人になるというお話。さっぱり分からない。読んだ記憶しか頭にない。もっと深いと思っていた。
422. 暗いブティック通り 白水社 [読書]
ユダヤ人の物語である。主人公が記憶喪失になり、自分を探し回るが、結果は最後まで自分が誰であるのか分からない。
421. 超芸術 トマソン 赤瀬川源平 筑摩書房 [読書]
昔、巨人軍にいたゲーリー・トマソンがバットに球が当たらないという、それだけの理由によって巨人軍を解雇される。それで不動産に付着した意味のないものを探して歩く。それによって意味のないもの探すことを目的とする路上観測学会を組織し、数々の物件を探す。この小説の主題である。
420 神の月 角田光代著 ハルキ文庫 [読書]
岡崎木綿子のクラスメイトである梅澤梨花は買い物魔である。クレジットカードで何もかも買い捲っている。彼女は大人びており、何のことにも感激しない。いままでは専業主婦でいたが、今は銀行員のアルバイトをして、1年以上がたつ。そして正社員になった。正文が彼女の亭主である。彼女は高価なものを買い捲り、彼は梅澤の子供を持ちたいという彼女の望みに全く理解をしめさない。
そこに男が登場する。やもめの孝三の信頼厚く、彼女はそれを利用し、やがて深みにはまる孝三の孫、光太である。分譲マンションを買ってやり、彼氏に新しい女が出来たことを知る、彼女はタイ国中を転々とする。
薄幸日和 グレゴリ青山 小学館 [読書]
最近はコミックだといって馬鹿にしてはいけない。この本を読み終えるのに1週間かかった。コミックを読んでこれだけかかったのはあとにも、先にもこれが最初だ。
小暮夕子が新しい学校に転校してきて、一人の友達のおかげで、其れまでの虐めっ子と仲良くなったりして、苦手な男友達まででき、すっかり学校になじむまでの物語。その友人は今チベットにいる。
413. 荒神 宮尾登美子著 朝日新聞出版 [読書]
永津野藩と香山藩はかって主従の関係にあった。永津野藩は関ヶ原の合戦の際、東軍について、香山藩の敵愾心の対象となる。
ここに曽谷弾正と朱音の二人の兄弟がいる。弾正は養蚕業を起し、永津野藩の財政を立て直し,その功で藩主の信頼を勝ち取った。曽谷弾正と朱音の怪物との戦いは最後まで続くが、曽谷弾正と朱音の死をもって終わる。そして村には平和が蘇る。
411 闇に香る嘘 下村敦史 第60回江戸川乱歩賞受章 H26.9.26読了 [読書]
香るとはどういうことか。最後になるまで出てこない。自分がやさしい母の実子と思っていたが、それが逆転する。自分が偽物でないかと思っていた兄が実は母の本当の子で、自分は中国人で、中国人の母親が井戸に落とそうとしていた双子二子の兄弟の弟であった。
それまでの死の寸前までいったことや、危ない目に何度かあっているものの、盲目の親父がようもったものだ。最後は私の好きな、めでたし、めでたしで終わる。
410. 庭師とあるく 京都の隠れ庭 コロナ・ブックス 小埜雅章選 [読書]
期待して買ったのだが、確かに綺麗だと思うが、私の想像していたものとは違う。やはり叶わないまでも西洋風の幾何学模様の方がよい。 茶室の傍らの壺庭なり、苔の生えた庭、石の種類や形などさっぱり分からない。
409. 金田一家、日本語百年のひみつ 金田一秀穂著 朝日新書 [読書]
随筆風で面白かった。祖父の京助や親父の春彦などの話は興味津々と読んだ。京助とその子供とは仲が悪かったことなども書いてあったが、若し、この祖父や親父がいなかったらこのように原稿を依頼されたか、また戦争にいかなかったか疑問だ。 日本語には女性言葉があるということ、結論が後に来ること、時刻の観念がないことなど全くその通りだと思うが、朝日新聞の笑顔を見てこの本を買ってみようと思った。
408. 探偵工女~富岡製糸場の密室~ 翔田寛著 講談社文庫 [読書]
前の2冊と違って、初めての長編。尾高勇は工場長(惇忠)の娘だが、若い娘の生血を西洋人が吸っているいるという噂を否定するため工女として働きに出る。そこは6月24日に皇太后様と皇后様が視察においでなさるので皆が緊張し、4人のフランスから来た教婦たちの指導も一段と厳しくなっている。
そして事件は起こる。杉山たえが密室で自殺を遂げ、また同部屋の小野沢いとも殺される。その調査を命じられたのが、桐野健輔警部と司馬幸太郎巡査だった。
河島吾一は下働きの下女と不倫関係にある。暢子も耶蘇教にひかれつつある。それは反政府派の陰謀でもなく、杉山たえは揚繭を2度しでかし故郷の帰されるかもしれないと自殺する。常々耶蘇教徒に改宗していたこともあづかって自殺の動機になったかもしれない。小野沢いとは、辻寅蔵に殺されたのだった。惇忠は群衆の前で正座し、声涙ともに深々と頭をさげ、一揆勢をおさめた。悪人の張本人はだれか、井原だ。後のことは分からない。事件すらなかった。井原も辻も捕まった。
407. 甘い復讐 樋口毅宏著 [読書]
「甘い復讐」「永遠とドラコン」「さくらと結婚」「ある芸者の証言」「十階建てのラブストーリー」「余生」の「6篇」が収められている。いづれも私にしては考えられない筋だ。
「甘い復讐」…彼は早苗という恋人を持っている。脳梗塞で倒れた父親と母親の実の子でないと打ち明けられ、家をおっぽり出される。早苗は有名な父親の娘であったが、1年前に離婚しており、全裸の男(本人)と女が付合っているのが見つかり、即別れる。彼は冷めた目で早苗が夢中になるのを見つめている。、その後、彼はいろいろな職業を転々とする。しかし、早苗が結婚すると、昔のよりをもどす。そのうちに昔、友人だった岸川と会い、早苗と関係したと知って、蛇村と一緒に殺す。そして遠い外国へ旅にでる。「永遠とドラコン」…太一はユミとやって、そのせいで殺されかけ、船で逃れる。
「さくらと結婚」…足立家と三ッ和家の結婚式で花嫁の素性がばれるお話。
「ある芸者の証言」…ある一芸者のお話。自分が可愛がっていた麻巳子が自分が恋人と思 っていた円藤万亀男と再婚し、また可愛がっていたすずめちゃんが死ぬ。
「十階建てのラブストーリー」…最後まで行くが、自分は盲目になり、女は去っていく。
「余生」…エイズに感染したのではないかと疑う友人(10年前に離婚している)のこと。いづれにしてもここにでてくる彼はよっぽどもてるのだろう。私にはそんな経験はないが。
406.Twilight Shuffle 乙川優三郎著 新潮社 [読書]
女の目から見た男との別れ話。男に妻子があってもなくてもよい、短編小説集。この著者はこのような作風なのか。直木賞をもらった「生きる」とは随分作風が違う。「脊梁山脈」も読んだが、ずいぶん最初とは傾向の違う小説だ。
405. 果てしなき渇き 深町秋生著 H26.8.25読了 [読書]
元警察官の藤島秋弘が娘の失踪した経緯を調べるなかで、不良少女や不良に囲まれたり、自分も危ない目に合う。娘は最後まで居所がわからない。とにかく品のない文章だ。映画化するという話だが、どないなるやら。今の子供たちはこのような世界を好むのか。
404. やや暴力的に 石原慎太郎著 文藝春秋 [読書]
石原慎太郎も自分の死期を悟ったかと思われる文章だ。人間もいつかわ死ぬ。私も後のことはどうあれ、できるなら穏やかに一生を終えたいものだ。 ここには「青木ヶ原」「やや暴力的に」「僕らは仲が良かった」「夢々々」「世の中おかしいよ」「うちのひい祖父さん」の6篇が収められている。特に「うちのひい祖父さん」は自分の願望を述べているのかと思った。
『やや暴力的に』という題はふさわしくないようだ。本を売るための題としか覚えない。いづれにしても石原裕次郎のことを書いた文章「弟」とは淡々とした筆致ながら違う。彼は東京都知事にまでなった。強烈な個性を持ち、石原裕次郎ちゃんにどれだけ助けられたか分からない。私は小説家としてよりも政治家として名を覚えている。
403. ノー・シューズ 佐々木マキ著 亜紀書房 H26.8.13読了 [読書]
この著者も意識していたかもしれないが、戦後まもなくの神戸の街のことが叙述されていて、ああそんなものだったかと思われる。私は昭和62年から64年まで湊川支店に勤めていたことがあるが、その時と比べてみてもかなり大きな相違がある。特にこの人の書く漫画がおもしろいし(意味はわからない)、その後の「スクラップ・スクリーン」は特に戦後間もなくの神戸の事情がよく呑み込めた。
402. かもめのジョナサン リチャード・バック 五木寛之創訳 [読書]
飛ぶことに命をかけたかもめの物語。昔、飛ぶことに飽き足らず、自からを高めようと飛んでいたかもめが、よき指導者による導きにより、さとりの境地になる。が、それは死を意味 する。
何百年か過ぎ去り、ジョナサンが神格化されたあと、アンソニーがやはりジョナサンと同じく、現状に満足しきれないで、ジョナサンに会う。
401.太陽のパスタ、豆のスープ 宮下奈都著 集英社文庫 ℍ26.⒎23.読了 [読書]
これは人生相談と比べて筋書がはっきりしている。主人公が何年かの交際相手、譲さんといざ結婚しようとしたとき、結婚まではと断られ、ショックを受け、それが収まるまで、9日間の会社の休日を利用したことだ。あらすじはそのようなものだが、何とも分かりやすいが、つまらないものだ。
主人公はそれまで何も知らず、家族に甘えていただけだったが、六花さんや家族に囲まれて、回りの人の友情に気付く。そんなお話。少しは世間を知ったか。
400.人生相談 真理幸子著 講談社 H26.7.18読了 [読書]
最初から順を追って話の筋が通るなら、そのいわれを語ってほしい。佐野山美穂の同期である緒方友恵は高橋正也と婚約している。しかし、緒方友恵は結婚はうまくいかないと両親ともどもガーネット・サクヤにも言われた。
川口寿々子は新聞記者特有の肥大した正義感をもつ。ナオミの依頼により小坂井剛は3つのスーツケースを開ける。1994年下請け会社が横領に会い、横領した社員も自殺した。そのスーツケースから出てきたのは武蔵野寛治の死体からだ。榎本良成は好美の夫で、好美は2014年4月に寛治は彼を殺しているのだと2か月前に言われいる。
野上美奈子は小坂井剛の姉。小坂井剛は1000万円もする高級バック(偽物)を買った。美奈子の母親は川口寿々子にだまされたと鬼の形相で死んでいった。高橋雅哉は榎本好美に殺された、先週亡くなった。樋口義一はガーネット・サクヤからその話を聞いた。樋口の本名は川口義一、ナオミの亭主だが、それは父方の生。
ビジネス・ゲーム ベティ・Ⅼ・ハラガン著 福沢恵子・水野谷悦子訳 [読書]
外人女性向けの本。確かに日本女性が企業内で上に行くため処していく数々の方策もある。その中の一部は参考にするし、自分に善かれと思うことはどんどん積極的に取り入れるのはいいが、それははっきり言えば、男性社員と同じ考えに立てということ。男性社員は少しでも上に行くために毎日が戦場といっていいが、はっきり言ってこのような女性に私はお眼にかかったことがない。
家庭と仕事の両立と言っても私の世界から遠い存在だ。女性は家事、男性は仕事で金を稼ぐといった旧弊に染まっている。ただ女性が働くうえで、上昇志向を持つことはいいことだ。私は女性というと即セックスを思っちゃう。やはり古い人間なのだ。女性はミニスカートなど職場で絶対はくべきでないのは当然だ。
東京幻風景 丸田祥三著 実業之日本社 [読書]
東京時代を若いころ過ごしたものにとって、この本はとっても面白く、しかも写真集の割には安かった。ただ不満だったのは廃墟らしい写真が多く、現代風なのが少なかったことだ。もっと現代的なのが見たかった。
日本全体が少子化に悩んでいるときに、一人東京のみが若い人を集めまわっている。働く職場の問題もあるそうだが、日本全体の農業不振もあるのではないか。もっと政治家は考えるべきだろう。地方が魅力を増し、こんなにも美しい、住みやすい都会となって若い人を引き付けるようになるべきだ。
私は関西に住んでいるが、だれもかれも東京に行きたがる風潮に我慢できない。特に最先端産業(マスコミ、ジャーナリズム、芸能人、通信機器等)は考え直すべきだし、だれもかれも東京に行くことに抵抗すべきだろう。
だから日本はズレている 古市憲寿著 新潮新書 [読書]
書き方は支離滅裂だけど面白い。国民全部に番号を振るの大賛成だ。私生活を覗かれるとか反対する奴らの気がしれない。由緒正しく生きていれば何のことはない。金がかかり過ぎるとは初めて知った。
それに日本の今は学歴重視というのは本当だ。東大卒というのは変なのもいるけれどやはり優れている。聞いたことがあるが、エリートはイギリスでは6歳になる頃選ばれるが、日本では大学受験で選ばれる。やはり能力があるなしの差だろう。この著者だって東大卒だ。東大中退となると、もともと本人は頭がよかったのによっぽどやりたいことがあったのだと思っちゃう。
今の政府の民意重視と言っても所詮国会議員は公共工事という金に行っちゃう。政府債務の削減などに使うものか。イギリス政府のやり方を見習うべきだ。国会議員の収入ですら削れず、将来はこの書でいう『おじさん』になってしまい、後代の青年書士から叩かれるのだ。
テキヤはどこからやってくるのか? ~露店商いの近現代をたどる~ 厚香苗 光文社新書 [読書]
ふうてんのとらさんじゃないがもともと香具師(ヤシ)の商売には関心をもっていた。まあこの本を読んでもその故事来歴はよく分らないのが真実だろう。皆共通に神農さんを祖先とするくらいで、その店舗数が数万単位になるとは思わなんだ。
昔、その時間になるとやって来て、紙芝居をただみはいかんで等いわれつつ見ていたが、まさか近所の店屋が中心となっているとは思わなんだし、どこか遠くからやって来ると思っていた。
この著者は自分の経験を語っているだけで、何ら学術的調査をしたわけでもないだろう(調査をやるにしても,出来ない)。香具師についてもそういう調査をしたわけでもなく、ただ単に店舗がなくても商売ができ、それで貧しいながらも余命を保っていけたのだろう。
同じ文章が繰り返されているところが2カ所ある。
あとかたの街(コミック) おざわゆき著 講談社 [読書]
何だか、私も、戦争中、山口県光市に疎開していた頃の苦しいことを思い出して悲しくなっちゃう。そんな中でこの本の羨ましいことはたとえ離れ離れになろうとも親の愛を受け続けたことだろう。近所の人達から偉そうな口を聞かされたり、差別を受けたこともない。みんな辛抱していたんだ。ただ大根飯のまずさだけは今でも残っている。醤油だけでもたらしたらといいのにと思ったことも事実だ。
関西に居続ける父親が畑の向うから帰ってくる姿を見たときのことは今でも思い出す。小学校2年までそこにいた。戦争嫌いになるのもムベなるかなと思う。
ここに描かれている次女は昭和19年4月からいよいよ空襲に入っていく。
広重の『東海道五拾三次』旅景色、全五拾三景 [読書]
この本は何年も書棚に置いており、つい最近読む本がなくて見たもの。ひろげてみると意外と歌川広重の絵があって面白い。昔の青に特色のある浮世絵があってついつい引き込まれた。私が最もひかれたのは昔は各宿場町に飯盛女がいて春を提供してくれたことだ。最も金の問題もあり、そうそう世話になることもなかったろうが、それなりに情緒もあったろう。東海道の細い道はさぞや絵のような景色とともに苦労と風情があった。それから地図とその解説書もよかった。
また忘れてならないことは、すべてエネルギーが人力によっていたことだ。その地の名物なり、風景の良さも山や、外国の風景をテレビでみるよりもはるかに見応えあった。私は広重名所江戸百景があり、それを簡単な額縁に入れて楽しんでいる。
絶望の裁判所 瀬木比呂志著 講談社現代新書 [読書]
どこの世界でも嫉妬や悪口の言い合いはあるなあ、それが例えば申し分のないエリートの世界とて同じだと思った。これは司法官の世界でも全く同じだ。いずれもこの日本で最難関と言われる司法試験を受け、かつ通った人達の争いだ。まさにソ連の作家、ソルジェーニツィン「収容所群島」の世界だ。
これを読むと裁判官が和解を進めるのは、早く事務処理をしたいし、判決文を書かないでよいためだそうだ。しかし、自分もその経験があるが、裁判官の文章が余りに素晴らしく、1も2もなく応じた。それとともになんて頭の良い人達だろうと思った。
私達からみれば雲の上の人達が進める和解もむべなるかなと思い、文章の巧みさに感心するとともに、これを断れば不利な判決になると思い、和解に賛成した。
結局、偉い人も私達と人間性に関する限り同じだ。残念ながら、私はソルジェーニツィン「収容所群島」を読んでいない。
天地雷同 伊東 潤 著 角川書店 [読書]
これほど登場人物が現代風なのは聞いたことがない。特に徳川家康の心境など現代の目から見てもよく分る。著者が彼らの心境をおもんばかったのかもしれない。
要するに武田勝頼が親父の信玄が死んで(元亀4年、1573)、滅ぶまでを記録したもの。武田勝頼が無能のため、宿老の意見を聞かず、長坂釣閉の意見を重んじた結果、数多くの忠臣をなくし、破滅に突き進んだ。
信長の冷酷さ、秀吉の端っこさ(商人でも成功しただろう)、家康の嫉妬の人物描写は見事である。
恋愛中毒 角川文庫 山本文緒著 [読書]
のっけから不思議な気がした。実際の最初の書き出しとその後の展開に同一人物が出てくるものの主人公が変わり、全く別の小説のような気がした。
この小説は水無月さんが主人公で、最初に出てくる井口さんではないのだ。それであれって思たのだ。
水無月さんは勝谷と結婚するが、7年後それが破綻し、結局ファンであった創路功二郎と関係を結ぶことになる。彼はテレビや小説でひとかどの人物で、水無月に車を買い与え、十分な給料を渡している。彼女はバリへ行ったり、野ばらという創路功二郎夫人についてグァムに行ったりする。そして功二郎の愛人の陽子や千花は男とやりまくったりして遊び回っている。そして陽子は創路功二郎の経営する会社を馬淵が事務員として新しく来たのを潮に辞め、千花も事務所を変える。野ばらもイギリスへ旅立つ。陽子と馬淵は恋人同士。
水無月は母親の束縛から離れたいこともあって、創路功二郎の第1夫人になりたがったが、結局それもかなわず、藤谷の新しい恋人(かどうか)、トウコに電話をかけまくったことで、警察に逮捕されてしまう。
奈々はその後どうなったか。
春の雪 三島由紀夫原作 池田理代子脚本・構成 宮本えりか画 [読書]
注文して、送られてきたのが漫画だった。三島由紀夫と知って読んだのだが、おそらく三島由紀夫原作と知って読んだのでなければ読まなかっただろう。
鎌倉伯爵家で幼いころ育てられた清顕は松枝侯爵家に返される。兄弟のように仲良くしていた聡子も一緒についてきて、松枝家でその後育てられる。その時聡子への忠義心篤い乳母、蓼科もついてくる。乳母は鎌倉家の当主から聡子が嫁に行くとき、処女のまま出すなと言われる
かくして二人は成人し、聡子は数々の縁談をすべて断わる。 聡子は清顕に惚れているが、清顕は若くして、死にたいと思い悩んでいる。治憲王殿との婚儀について天皇家の勅許を得た聡子がどうにも為らなくなって、そのような絶望的な状況になって、始めて聡子を熱烈に欲する。そして彼女は妊娠する。両親はじめ周りの人は清顕にはあれほど恋していないのかと尋ねたのに、自分はそんなことはないと言い張る。彼女は自分の絶望的な状況を知る。すべて人の合意の上で彼女は京都に行く。
清顕は聡子に会いたいと京都までいくが、聡子は会わない。そして友人の依頼にもかかわらず、聡子は会わずにただただ咽び泣き、清顕は東京に帰って死ぬ。
宇宙が始まる前には何があったのか。 ローレンス・クラウス著 青木薫訳 青木薫訳 [読書]
数式が一切ないにも拘らず、理解出来なかった。全米でベストセラーとなったと書かれてあるが、アメリカ人の知能の高さに今更ながら驚いている。例えば次のような文章(p.238)「粒子の静止質量にともなうエネルギーも含めて、正のエネルギーの総量は、負の重力エネルギーによって打ち消され、全エネルギーは0になるのである」分るだろうか。このことから著者はこの宇宙が3次元空間が重なった2次元空間であると予測する。ただ、人類はいつか遠いか、近い未来に絶滅するのが分かった。過去を遡るにしても、未来を見つめるにしても今が一番いい時期である。
今でこそそうしたことがアイザック・ニュートンの万有引力の法則、アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論、その理論との量子論の結合、我々は光速を超えることは出来ないが、空間は光速を超えることが出来ること、宇宙マイケル波背景放射波の発見、宇宙が遠ざかりつつある現状、そしてビッグ・バン以来137億2千万年経っていること、我々が存在し得るのは粒子の揺らぎがあったこと、宇宙のエネルギーの70パーセントが暗黒物質にあること、いずれはすべて闇の中に沈むこと等の歴史的遺産があることを理解すればそれは早い。その前に太陽が滅びてしまう。ただこの宇宙は神様が作ったものでないことは確かだ。 我々が生まれたのも、死ぬのもすべて無から生まれ、無の帰るのだ。