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ヨーロッパ文明の正体(何が資本主義を駆動させたか)  下田淳著     筑摩選書   [読書]

 

      ヨーロッパ文明の正体: 何が資本主義を駆動させたか (筑摩選書)

 

 ヨーロッパが大航海時代、何故地球規模に拡大し得たか。それを著者はヨーロッパには金銀銅の貴金属がなく、無い物ねだりに外へ出ていかざるを得なかったことと、過去からの伝統として棲み分けにあったとしている。金銀銅がなかったのはうなづけるが、棲み分けは難しい。

 1つにはキリスト教が全く不寛容な宗教であったとしている。これは今のアラブ諸国の宗派対立を見ているととてもうなずけないし、アラブ諸国はもっと勉強すべきだろう。棲み分けには自生的・生態学的棲み分けと能動的棲み分けの2種類あり、前者には人口、市場、富、権力、後者の代表が時間と空間である。農村内における居酒屋文化こそ富の分配を含めた棲み分けの代表的なものだという。すべての人が貨幣なしでは生活出来ない状態である。それは一方で、何でもかんでも計算づくの理系資本主義社会を生んだ。いわゆる科学技術と資本主義である。

 これからの社会は経済成長は無理であり、「ゆっくり」「ある程度」「ほどほどに」「余裕をもって」「マイペース」といった方向へと変えていかざるを得ない。

 


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