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雲の人びと  ジェミア&J・M・G・ル・クレジオ  村野美優訳  [読書]

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MG・ル・クレジオが2008年度のノーベル文学賞受賞作家だとはこの本の最後の解説を読むまで分からなかった。雲の人びとの意味も雲を追いかけて移動する民のことで、この本のフランス人の著者は砂漠が好きで、「砂漠」についても小説を書いている。
  
砂漠で過去何年にもわたる伝統を持った人びとが、近代兵器で武装したヨーロッパ人に負かされる。しかし、彼等が持っていたその慣習や行為は何世代にもわたって受け継がれ、生と死、砂漠の美しさとともに今日に伝えられている。私達文明人にはそのまねは出来ない。
  
この本は以前読んだ同じノーベル賞作家のG・ガルシア=マルケス(コロンビア、新潮社、現代世界の文学)と似た感じだが、この本のほうが詩的散文の世界であり、死と生を超越した神々しさと美が感じられる。
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